思春期になぜ急激に身長が伸びるのか?
思春期は「身長増加のラストスパート」と呼ばれる。それまでの年間5センチぐらいの伸長が、さらに年間7センチ、8センチ伸び、時には10センチ伸びることもある。
こうした急激な伸びを示すのは、性腺ホルモンの分泌が活発になることで起きる。性腺ホルモンは、成長ホルモンと同じように骨芽細胞に働きかけて、骨の成長を促す。また、成長ホルモンの分泌も思春期には高まる。
つまり、この2つのホルモンの相乗効果によって身長がそれまでにない伸びを見せる。
ところが、思春期後半になると男女を問わずに女性ホルモン(性腺ホルモンの種類)作用が骨に対して優位になってくる。女性ホルモンには骨を成熟する作用があり、その結果、軟骨を骨化させて骨端線が閉じるはたらきをする。
ということは、性腺ホルモンとは、思春期前半で骨の成長を促す、後半になると骨の成熟を早めるという、その特質によって身長増加のスパートをかけ、やがて身長増加をストップさせてしまうのである。こうした伸長のカラクリによって、背を高くするには、できるだけ思春期の発来を遅らせられればよいことがわかる。
思春期前は年間5センチほど伸びるのがふつうである反面、思春期が終わると身長の伸びが一気に落ちていく。そのため、1年、思春期が遅くなれば、5センチほど身長の伸びる時間が長くなる。そのぶん、最終身長が高くなるというメカニズムである。
つまり、これが”十分条件”というわけだ。”必要条件”の4歳Oか月時点で100センチを達成したときの最終身長予測は、男の子は171センチ、女の子は158センチ。これに”十分条件”が加わり、1年、思春期発来が遅くなれば、最終身長が176センチと163センチということになるのである。
そこで、「じゃあ、どうすれば思春期を遅らせることができるのか?」という質問が来るように思う。思春期はその子の、もともとの体質が大きく左右するために食事などでは思春期発来を遅らせることはむずかしい。
そのため、効果的な処方として思春期抑制剤を投与するのである。第二次性徴の兆候を注意深く観察し、思春期発来の兆しがわずかでも見えたなら、即座に”ブセレリン”という思春期抑制剤を用いて、発来を止めることになる。「思春期早発傾向」の子どもには、はじめからブセレリンを投与して、骨端線が早く閉じるのを防いでいく。
こうした対処によって、本来、子どもがもっている伸長の余地を十分に活用する対応が、背を伸ぱすためには必要となるのである。
思春期になぜ急激に身長が伸びるのか?

