感情的に怒る親の子どもは背が高くならない

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前項の事例だけではなく、ストレスによる身長がストップするケースは、現実にたくさんある。

筆者は、これまで1000例を越す子どもの背についての相談や伸長医療を展開してきたが、ストレスを原因とする伸長阻害がかなりのパーセンテージで見られるのである。

たとえば、いつもおどおどして自信なさそうな、中学生になったばかりの男の子がいた。背も低く痩せている子だった。母親に連れてこられたが、自分では話そうとしない。しかし、母親の話だけでは本当のところは不明である。

その子の口が開くまで、じっくりと待って、ようやく話を聞くことができたが、どうやら父親が怖いらしい。暴力を振るうことはないようだが、自分は有名国立大学を出ているため、息子にもそうさせたくて勉強を強いるのだ。

そこそこの点をとっても褒められずに、マイナスのことばかり言い出す。それも感情的で、子どもの言い分など聞きはしない。

おそらく、彼にはたいへんなストレスがかかっていたのだろう。その影響は低身長にあらわれ、体格にもあらわれていた。その子は12歳で、背が146センチ、体重は35キロだった。標準からすると、身長で6センチ強、体重で10キロも少ない。

父親は170センチ、70キロぐらいの体形であり、母親は160センチで53キロぐらいだという。彼の体は、決して遺伝を受け継いで小さいわけではない。だからこそ、母親が心配して筆者のクリニックに連れてきたのであろう。

怖いというストレスが、視床下部の摂食・満腹中枢に作用して食欲を減退させ、かつ成長ホルモンの分泌を阻害して、低身長、低体重の原因となった実例である。低身長症ではないものの、”愛情遮断症候群”という低身長症予備軍なのかもしれない。

また、可愛がられていた祖父が死に、背の伸びが止まった女の子もいる。毎年5~6センチ伸びていたのに、祖父の死後の2年間は、1年3センチ程度のペースでしか伸びなくなった。

ほかに、生徒会長をやって背の伸びが低下した、部活のキャプテンをやって背の伸びが低下した、などという例もたくさんある。

こうした現象は、大人の考えるレベルでは、とうてい理解できない子どものビュアーさなのかもしれない。

付け加えれば、栄養やホルモンなどの物質以外に、子どもの身長の正常な伸びに必要なのは、親の愛情である。もちろん、親の愛情は身長に限らず、心身の発育すべてにかかわることは、いうまでもない。  

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